光、再考 ー考察ー
この曲は、amazarashiの代名詞と言っていい気がする。
全ての始まりの曲。
ひろむにとって、それまでの人生の総括曲。
「もし生まれ変わったらなんて言いたくない」
ここが全てだと思う。
インディーズ盤やベストアルバムにも収録されており、
現在のライブでも歌われ続けているくらい
amazarashiを語るには外せない曲だ。
この人生を生き抜く中で僕らは常に
希望、すなわち光を探しているわけだが
光、再考という題名の通り、
この曲は希望とは、光とは何かを歌っている。
そして希望は希望だけでは、光は光だけでは、語れるものではない
ということが歌詞を読めばすぐにわかると思う。
ーーーーー
もし生まれ変わったらなんて言いたくない どうしようもない
僕の人生も長い付き合いの内 愛しくなってくるもんで
ぶつかって 転がって 汗握って 必死こいて
手にしたものは この愛着だけかもな まぁいいか
そんな光
時々虚しくなって全部消えてしまえばいいと思うんだ
神様なんてとうの昔に阿佐ヶ谷のボロアパートで首吊った
綺麗な星座の下で 彼女とキスをして
消えたのは 思い出と自殺願望
そんな光
ーーーーー
がむしゃらに生きてきてようやく手にしたものが
ちっぽけな自己愛だったりとか、
彼女とキスをしたら、
思い出と自殺願望が消えたりとか、
希望は絶望があるからこそ存在し、
光は影があるからこそ存在しうるのだ。
amazarashiに暗い曲が多いと言われる所以でもあるが
希望を歌うときは、それと同等に絶望も歌い上げ、
光を歌うときは、それと同等に影を描写する。
そして、その光とは
実体がなく、ただただ追い求めるものであり、
ーーーーー
本当は手にしたくなんか無いんだよ ずっと追いかけていたいんだよ
もっと胸を焦がしてよ 死ぬまで走り続けたいんだよ
ーーーーー
それは死ぬまで一生続くのだ。
アンチニヒリズムを掲げるamazarashiのことだから
死ぬまで光を追い求めてもがき続ける、
まさに虚無主義に抗う、
ということなのだろう。
ーーーーー
日が沈みまた昇るように 花が散りまた咲くみたいに
全てはめぐりめぐって 全てがほら元通り
もし生まれ変わったらなんて 二度と言わないで
今君は日陰の中にいるだけ ただそれだけ
ーーーーー
情景描写も美しい。
僕らはこれまでもこの先も
何度も何度も光と影を行き来して、
時にはこれ以上ないほどの絶望にも見舞われて
それでも、ちっぽけでも些細でも
わずかな光を追い求め生きていくのだ。
amazarashiの楽曲には歌詞と対になる詩が存在する。
ひろむが楽曲を多方面から楽しめるように、考えられるようにと作っているものだ。
考察する上で、この対の詩にも注目したい。
ーーーーー
絶望とは、暗闇ではなく
暗闇の中で、手を伸ばす事も出来ない事
希望とは、手を伸ばす事ではなく
暗闇の中でも、触れたい何かがあるという事
触れたいものなど無い、と言うのなら
そもそも君が、絶望する事も無かっただろう
絶望なんて、手を伸ばした人だけに訪れる
通り雨みたいなものだから
ーーーーー
絶望というのは
希望を求めるからこそ、
影というのは
光を求めるからこそ、
訪れるものだと言っている。
もし、希望も光も求めなければ
そこには絶望も影も存在しない。
つまり、
絶望や影の存在は
希望や光を望んだことの証明であり、
ーーーーー
君の肩が濡れているのは
むしろ誇っていい
どうしようもない今日も
笑えなかった昨日も
君が何かを掴もうと、手を伸ばした証拠なんだ
ーーーーー
僕らが生きようとした証拠である。
ーーーーー
一度も旅に出ようとしない、傷一つない船に
誰が乗りたがるだろうか
この先起こる嵐を乗り越える為に
痛みを知っている君でなければいけない
ーーーーー
繰り返すが、
僕らは生きている限り、
この希望と絶望の往復は避けられない。
だからこそ、この痛みを知っていなければならない。
ーーーーー
だから
「もし生まれ変わったら」なんて言わないで
ーーーーー
だから、
「もし生まれ変わったら」
なんて言わないで、諦めないで。
君がもしそう思っているのなら、
今君は日陰の中にいるだけなのだ。
希望をつかもうと手を伸ばしている証拠なのだ。
書いていて自分が励まされるくらいだが、
ひろむ自身も、
自分自身に向けて、
自分を肯定するために曲を書いており、
それだけリアルに描写される世界観。
だからこそこんなにも惹かれるのだろう。
この曲こそがamazarashiを象徴する、核となる曲なんじゃないだろうか、
と思う。
さて、
区切りがいいので、
今回の考察はこの辺りで終えようと思う。
考察、というか、読み返すと歌詞を
そのまま言い換えたような感じになってしまった気がする。
まぁ、もともと僕には文章能力や表現力が乏しいのだ。
繰り返し書いていくしかないのかもな。
追記等あれば、適当に加筆修正していきます。
それでは、また。
0コメント